2013年10月9日水曜日

福島第1原発:作業ミスで6人被ばく

東電「なぜ予定外…」
理由は分かり切っている。
明確な解決法も無く、対処療法を繰り返す毎日。
この状態では脳は麻痺してしまう。
体には極限まで疲労が蓄積される。
上層部の命令も現場に伝わる時には伝言ゲーム。
本来働くヒューマンエラーのダブルチェックは機能しない。
こんな事が繰り返されれば、何れ大事故が発生する可能性が高い。
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福島第1原発:作業ミスで6人被ばく 漏出汚染水は7ト
毎日新聞 2013年10月09日 20時05分(最終更新 10月09日 21時46分)

 東京電力は9日、福島第1原発で、放射性汚染水から塩分を取り除く淡水化装置の配管から汚染水約7トンが漏れ、汚染水に触れた作業員6人が被ばくしたと発表した。それぞれの被ばく量はガンマ線が0・42〜0. 11ミリシーベルト、ベータ線が1.2〜0.2ミリシーベルトだった。体内に放射性物質を取り込んでおらず、東電は健康への影響はないとみている。配管の取り換え作業中のミスが原因だった。漏れた汚染水は装置のある敷地外には流れ出ていないという。相次ぐ作業ミスで、福島第1原発における東電の管理体制が改めて問われそうだ。

 東電は、建屋内にたまっている高濃度汚染水については、まず放射性セシウムを吸着させる装置で処理。さらに塩分を取り除く淡水化装置で淡水にした後、溶けた燃料の冷却などに使っている。セシウムや塩分を除去するこれらの処理を経ても、汚染水には放射性ストロンチウムなどの放射性物質は残っている。

 発表によると、今回の汚染水漏れは3台ある淡水化装置のうちの1台で起きた。9日午前9時35分ごろ、協力企業作業員10人が装置の空の配管を取り換える作業をしていた時、うち3人が誤って取り換え予定ではない通水中の配管の接続部を外してしまった。このため、配管から塩分を取り除く処理前の汚染水が漏れ出した。漏れた汚染水の濃度は、ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり3400万ベクレルと高濃度だった。

 その後、作業員1人が加わり計11人で配管の弁を閉めるなどの対策をとり、汚染水漏れは約1時間15分後に収まった。

 各作業員は汚染を防ぐ防護服の上に雨がっぱを着用していた。しかし、防護服は防水性ではないため、11人のうち6人は、胸や腹、尻、足裏など体の表面から放射性物質を検出した。6人とも9日中に除染が済み、治療の必要もなかったため帰宅した。

 東電は「なぜ予定外の配管を外そうとしたのか、原因を確認している。このようなトラブルが続いており、何とかこの連鎖を断ち切れるよう、現場の支援をしていきたい」としている。【鳥井真平、奥山智己】
    作業員が誤って外し、汚染水が漏れたホースの接続部=東京電力提供